LEDでUV-A/B/C各波長を
出力する
新技術が開く可能性

UV-LED

今、LEDで紫外線(UV)のA·B·C各波長を自在に出力てきる技術が脚光を浴びています。
LEDによる多波長UV照射は、従来方式が抱えていた三つの大きな課題を一挙に解消し、
環境対応と生産効率向上を同時に実現します。

  • 水銀フリー水俣条約への完全対応

    LED光源は構造上、重金属の水銀を一切使用しません。 これは水銀使用製品を段階的に禁止する「水俣条約」の要件を満たすだけでなく、ランプ破損時の環境・安全リスクも大幅に低減します。

  • 電力効率の飛躍的な向上 CO₂排出とコストを同時削減

    LEDは電力を光に変換する効率(発光効率)が高く、必要な紫外線量を得るまての消費電力を従来ランプに比べて大幅に抑えられます。その結果、製造ライン全体の電力量を削減でき、CO₂排出の低減と電気料金の節減という二重のメリットが得られます。

  • 多用途への対応を可能とする広域波長をカバーUV-BとCの高出力化により、今まで硬化できなかったものを硬化可能に

    高圧水銀ランプ向けに開発されたUV硬化樹脂(広域波長に感応するもの)でも、LED照射で同等以上の硬化性能を発揮できます。 複数の波長LEDを組み合わせることで、一台の装置て複数の材料や製品に対応でき、生産現場の柔軟性が向上します。

水銀フリー

環境負荷が高いものが段階的に排除される時代

近年、 国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の達成やカーボンユートラルヘの取り組みが世界規模て加速し、企業には製品ライフサイクル全体で ‘‘環境負荷を最小化する姿勢’’が強く求められるようになりました。とりわけ製造工程でのCO₂排出量とエネルギー使用量の低減は、環境への責任を果たすだけてなく企業価値・ブランド価値を直接押し上げる要因となっています。言い換えれば、「環境に悪影響を与える要素をいかに排除できるか」が製品そのものの競争力を左右する時代に入ったと言えるてしょう。その流れを象徴するのが、蛍光灯の段階的廃止です。2022年に開催された「水銀に関する水俣条約(Minamata Convention on Mercury)」第5回締約国会議(COP5)の決定により、2027年末までに一般照明用蛍光灯の製造・輸出入が全面禁止されることが正式に合意されました。
(詳細は〈https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/joho/led_shomei/index.html〉経済産業省の案内ページを参照)
水銀を含む光源は、今後ますます市場から姿を消し、LEDへの置き換えがグローバルスタンダードになります。

電力効率の飛躍的効率化

熱・乾燥プロセスでのムダを許容しない市場へ

従来の硬化・乾燥工程では、熱風や高温ランプが当たり前に使われてきました。しかし発熱ロスはイコール〈コスト〉です。

電気のコスト: 高温ランプを維持するだけで数百~数千ワット/台。さらに立ち上げ・待機時にも電力が垂れ流しになります。
熱のコスト: 照射で生じた余剰熱を逃がすための空調・冷却設備が追い打ちをかけ、電力使用量を二重に押し上げます。
時間のコスト: 瞬時に点灯・消灯が従来方式では難しく、立ち上げの時間、アイドリングの時間が作業時間的にも消費電力的にもムダを作ります。

これからの製造ラインに求められるのは、「ムダな熱=ムダな電気」「ムダな時間=ムダな電気」を徹底的に削ぎ落すこと。エネルギー効率の低い旧型設備は、コスト面でも環境面でも選ばれにくくなる流れが一層加速しています。